2つの遺言書がありどっちが有効なの?相続・遺産分割のことなら松阪市・多気郡・伊勢市の行政書士長戸法務事務所
実際に相続にまつわる問題で多くの方は円満にそのまま済んで行くのだと私は思います。
しかし実例として、亡き父のお通夜の日の振る舞いの席にて、2つの遺言書が出てきたケースをご紹介します。
亡き父の長男のお嫁(亡くなる前に療養看護していた)が義理の遺言書ですと言って「孫に全財産相続させる」と書かれた公正証書遺言を出してきました。
ところが亡き父の妻(義母)もいやいや亡き夫から預かっていたと言って「妻に全財産を相続させる」という内容の自筆証書遺言書を持っておられました。
お嫁さんは公正証書遺言のほうが正式な遺言書だから遺産は孫の者だと言って一歩も引きませんし、義母のほうも「この遺言書は最近書いたものだから絶対こちらの方が正しいと」こちらも一歩も引きません!
この場合にどちらが有効な遺言かと言いますと前の遺言(公正証書遺言)と後の遺言(自筆証書遺言)の内容を見て矛盾がある場合には原則として矛盾抵触する部分については日付の新しい遺言書が有効となります。
自筆証書遺言、公正証書遺言どちらが有効なのかどうかは遺言書の種類によって優劣はありません!
ただこの場合自筆証書遺言は自宅で保管されていて遺言の内容までわかっているということですので、法的には封筒に入れなければならないという決まりはありませんが開封したということかもしれませんし、いずれにしても後で家庭裁判所での検認手続きも必要となります。
また亡き父が重度の認知症だった場合など遺言自体が無効となることも考えられます。
こういう事態を避けるために前述したブログでお話したようにこれからは自筆証書の方法を選ぶのなら自筆証書保管制度の利用をお勧めしますが、法務局での遺言保管制度は公正証書とちがい遺言の有効性までは保証はしてくれません。
あくまで検認が不要であるという事と改ざんなどの可能性がないということです。やはり遺言書を書く場合には専門家である行政書士に事前に相談することが一番だと思います。
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