非農地証明願い

非農地証明
非農地証明書
農地法
現況主義
地目変更
三重県
松阪市
農業委員会

非農地証明願い(非農地証明書)とは|登記上の農地を整理する手続き

登記簿上の地目が「田」や「畑」になっているにもかかわらず、現在は農地として使われていない土地があります。こうした土地を売買・相続・担保設定などで活用する際に必要になるのが「非農地証明書」です。農業委員会が「この土地は現況として農地ではない」と認める証明書で、その後の地目変更登記(田・畑→宅地・雑種地等)に不可欠な書類です。

「非農地」とはどういう状態の土地か

農地法における農地の判断は登記簿の地目ではなく現況(実際の土地の使われ方)によります(現況主義)。以下のような状態が長期間続いている土地は、農業委員会が「非農地」と判断する場合があります。

  • 長年にわたり耕作が放棄され、雑草・樹木が繁茂している土地
  • すでに建物・構築物が建っており農地として使えない状態の土地
  • 池・水路・法面など農地以外の状態に変化している土地
  • 道路や駐車場として事実上使われている土地
  • 土砂崩れや地形変化によって農地としての利用が不可能になった土地
非農地かどうかの判断は農業委員会が行います
「うちの田んぼは何十年も耕作していないから非農地のはず」と思っていても、農業委員会が現地確認を行い、農地に戻せる状態と判断した場合は非農地証明が発行されません。最終的な判断は農業委員会の現地調査・審査によります。

非農地証明書が必要になる場面

❌ 非農地証明なしの状態

登記上の地目が「田」「畑」のままでは、売買・担保設定・建築確認の際に農地法の制約を受けるため、取引や活用が困難になります。

✅ 非農地証明取得後

証明書を添付して法務局へ地目変更登記(→宅地・雑種地等)を申請できます。地目変更後は農地法の制約がなくなり、通常の不動産として取引・活用が可能になります。

場面 なぜ非農地証明が必要か
売買・贈与 登記上農地のままでは農地法3条許可が必要となるため、実態に合わせた地目に整理してから取引したい場合
相続・遺産分割 相続した土地が登記上は農地だが実態は農地でない場合、評価・分割のために地目を整理したい場合
金融機関への担保設定 農地のままでは担保評価が困難なため、地目変更して担保提供したい場合
建築確認申請 地目が農地のままでは建築確認が通りにくいため、宅地等に変更したい場合
農地法3条申請との併用 農地売買の際に対象土地の一部が非農地状態の場合、非農地証明と3条許可を同時に処理する場合

実務事例

📋 実務事例①:農地売買の申請中に「池」が発覚→非農地証明と3条許可を同時処理

市内の親戚同士でお互いの畑を交換するため、農地法3条の申請を2件同時に行いました。ところが申請後の確認で、一方の畑の中に小さな池があることが判明しました。池の部分は現況として農地ではないため、農地法3条の対象にはなりません。

そこで池の部分については非農地証明願いを申請し、残りの農地部分については農地法3条の許可申請を進めるという形で対応しました。非農地証明と農地法3条許可の同時処理により、スムーズに手続きを完了することができました。

農地法の判断はあくまで「現況」によるため、一筆の土地の中に農地部分と非農地部分が混在するケースでは、このような複合的な対応が必要になることがあります。

📋 実務事例②:数十年放置された耕作放棄地の整理

相続した土地の中に、登記上「田」となっているが数十年にわたって耕作が行われておらず、雑草・竹が繁茂した状態の土地が含まれているケースがあります。このような土地は実態として農地ではないため、非農地証明を取得して地目変更登記を行うことで、土地の整理・売却・活用が可能になります。

ただし、農業委員会の現地調査で「農地に戻せる状態」と判断された場合は証明が下りないこともあります。現地の状況をしっかり確認した上で手続きを進めることが重要です。

非農地であることをどうやって証明するか

農業委員会に非農地証明を申請する際、「その土地が長期間にわたって農地でない状態であること」を裏付ける資料を提出することが重要です。現地写真だけでは不十分な場合も多く、以下のような方法で証明します。

① 税務課の課税地目証明(最もよく使われる方法)

松阪市では「農地であらざる証明書」という名称です
税務課(固定資産税担当)に申請すると、20年以上前から課税地目が農地以外(宅地・雑種地等)であることを証明してもらえます。固定資産税の課税台帳上の地目が農地以外であれば、長期間農地として扱われていなかった証拠になります。市町によって証明書の名称が異なりますので、事前に窓口で確認してください。

② 国土地理院の空中写真(航空写真)

20年以上前の航空写真で農地でないことを証明します(有料)
国土地理院では過去に撮影した空中写真(航空写真)を有料で提供しています。20年以上前の写真に農地以外の状態(建物・舗装・雑木林など)が写っていれば、長期間農地でなかったことの証明になります。写真の取り寄せには時間がかかる場合があるため、早めに手配することをお勧めします。

③ 建物の存在による証明

申請地にすでに建物が建っている場合は、その建物の写真や建築時期がわかる資料が証明になります。また、未登記建物であっても固定資産税の課税実績(固定資産評価証明書)があれば、建物が存在していたことの証拠として活用できます。

④ 立木(樹木)による証明

申請地に大きな樹木がある場合、伐採して年輪を数えることで樹齢を証明する方法があります。樹齢が20年以上であれば、少なくともその期間は農地として利用されていなかったことになります。伐採が難しい場合は幹の太さ(幹周・直径)を測定し、樹種ごとの成長速度から樹齢を推定する方法も用いられます。
複数の証明方法を組み合わせることが有効です
上記の証明方法は、いずれか1つで足りる場合もあれば、複数を組み合わせて証明する必要がある場合もあります。農業委員会によって求められる証明の水準が異なりますので、事前相談の段階でどの証明方法が有効かを確認しておくことが重要です。

手続きの流れ

1 農業委員会への事前相談
対象土地の所在・地番・現況の状況(いつ頃から耕作していないか、現在の状態など)を農業委員会に相談します。農地台帳(農地ナビ)での確認も行います。非農地証明が発行可能かどうかの見通しをこの段階で確認します。

2 申請書類の準備
非農地証明願・土地の登記事項証明書・公図・位置図・現地写真などを準備します。現況がわかる写真は特に重要で、農地でないことが一目でわかる写真(雑草繁茂・建物・舗装状況など)を複数枚用意します。

3 農業委員会へ申請書提出
農業委員会の受付締切日(松阪市は毎月15日前後)に合わせて申請書を提出します。

4 農業委員会による現地調査・審査
農業委員が現地を確認し、本当に農地でない状態かどうかを調査します。この現地調査の結果が証明発行の可否を大きく左右します。農業委員会総会での審議を経て判断されます。

5 非農地証明書の交付
審査が通れば非農地証明書が交付されます。

6 地目変更登記(法務局)
非農地証明書を添付して法務局へ地目変更登記(田・畑→宅地・雑種地等)を申請します。地目変更登記は土地家屋調査士が担当します。当事務所では提携の土地家屋調査士をご紹介することも可能です。

申請から証明書交付まで約1〜2か月が目安
農業委員会総会は月1回開催です。締切日・現地調査・総会審議のスケジュールがあるため、余裕を持った日程設定が必要です。

主な必要書類

書類名 内容・備考
非農地証明願 農業委員会窓口または各市町HPよりダウンロード
土地の登記事項証明書 法務局で取得(対象土地の全部事項証明書)
公図写し 法務局で取得
位置図 住宅地図等で対象土地の場所を示したもの
現地写真 現況が農地でないことがわかる写真(複数枚)。農業委員会の現地調査前に撮影しておくことが重要
現況図・略図 市町によって必要な場合あり。土地の現状を示した簡単な図面

※ 必要書類は農業委員会によって異なります。事前に各市町農業委員会へご確認ください。

手数料・報酬の目安

項目 金額 備考
申請手数料(農業委員会) 無料 非農地証明願の申請自体に手数料はかかりません
登記事項証明書(土地) 1通 600円 法務局(郵送・オンライン請求可)
地目変更登記費用 土地家屋調査士報酬+登録免許税 非農地証明取得後、土地家屋調査士が担当
行政書士報酬 50,000円〜 案件の複雑さにより異なります

よくあるご質問

Q. 農地転用許可(4条・5条)との違いは何ですか?

農地転用許可は「農地を農地以外の用途に転用する」ための許可手続きです。一方、非農地証明は「すでに農地でない状態になっている土地について、農地ではないことを証明してもらう」手続きです。農地転用は将来の転用行為に対して許可を得るもの、非農地証明は現在の状態を確認・証明してもらうものという違いがあります。

Q. 非農地証明が下りない場合はどうなりますか?

農業委員会の審査で「農地に戻せる状態」と判断された場合は非農地証明が発行されません。その場合は農地として農地法の手続き(転用許可・権利移転許可など)を経て活用する方法を検討する必要があります。事前の現地確認と農業委員会への相談が重要です。

Q. 非農地証明をもらった後、必ず地目変更登記をしなければなりませんか?

法律上は地目変更の登記義務があります(不動産登記法第37条)。地目変更が生じた日から1か月以内に申請することが義務付けられています。非農地証明の取得後は速やかに土地家屋調査士へ地目変更登記の依頼を進めることをお勧めします。

Q. 相続した農地が実は農地でない状態でした。農地法の手続きなしに売買できますか?

非農地証明を取得して地目変更登記を完了させれば、農地法の制約なく売買が可能になります。ただし非農地証明の取得前は登記上「農地」のため、農地法が適用される点にご注意ください。

行政書士に依頼するメリット

  • 対象土地の農地台帳・現況確認を事前に実施
  • 農業委員会との事前相談・書類準備を一括サポート
  • 現地写真の撮影ポイントや証明取得に向けたアドバイス
  • 農地法3条・4条・5条との同時処理にも対応
  • 地目変更登記(土地家屋調査士)との連携でワンストップ対応
  • 各市町農業委員会のローカルルールを踏まえた的確な対応
長戸法務事務所からのひひと言
「登記上は田んぼだけど、もう何十年も畑として使っていない」「相続した土地の地目が古いままになっている」というケースは、三重県内でも非常に多く見受けられます。そのままにしておくと売買・相続・融資の際に支障が出ることがあります。まずは現状の確認からお気軽にご相談ください。松阪市・明和町・多気町・伊勢市など三重県内の農業委員会手続きに対応しております。

非農地証明願いのご相談はお気軽に

三重県(松阪市・伊勢市・多気郡・明和町・度会郡)の農業委員会手続きに対応しています。

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行政書士長戸法務事務所(三重県多気郡明和町)