農地法4条許可・届出
農地転用
自己転用
転用許可
転用届出
三重県
松阪市
農業委員会
農地法4条許可・届出とは|自分の農地を転用する手続き
農地法4条と5条の違い
| 農地法4条 | 農地法5条 | |
|---|---|---|
| 対象 | 自己転用(所有者が自分で転用) | 転用目的での権利移転(売買・賃貸借+転用) |
| 権利移転 | なし | あり(所有権移転・賃借権設定など) |
| 申請者 | 所有者のみ | 譲渡人+譲受人(連名) |
「許可」が必要か「届出」で足りるか
農地法4条の手続きは、対象農地がどの区域に属するかによって「許可申請」か「届出」かに分かれます。まず都市計画上の区域区分を確認することが最初のステップです。
🏙️ 市街化区域内の農地
届出(農業委員会への通知)で足ります。許可は不要です。
農業委員会に届出書を提出するだけで転用が可能です(農地法4条1項7号)。手続きが比較的簡単で、受理されれば転用できます。
🌾 市街化調整区域・非線引き区域の農地
都道府県知事(または農林水産大臣)の許可が必要です。
農業委員会を経由して三重県知事あてに許可申請を行います。農用地区域(青地)内の農地は原則として転用が認められません。
対象農地が市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域のいずれに属するかは、各市町の都市計画担当窓口または都市計画図(各市町HPで公開)で確認できます。また農用地区域(農振農用地)に指定されているかどうかは、農業振興地域整備計画図(市町の農業担当課)で確認が必要です。
実務事例:4条と5条が同時に絡むケース
自分が所有する農地に娘さんの住宅を建てる計画のお客様からご依頼をいただきました。自己所有 of 農地への進入路は一応あるものの、接道する道路の幅員が1.8mしかなく、車の乗り入れには不便な状況でした。
そこで、隣接する他人所有の農地(耕作放棄地)を購入して進入路を確保する方向で検討され、その土地の所有者との売買の合意も成立しました。
この場合の農地法の適用は次のようになります。
| 対象農地 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 自己所有の農地(住宅建築) | 農地法4条 | 所有者本人が自分の農地を転用するため4条が適用 |
| 隣接する他人所有の農地(購入) | 農地法5条 | 権利移転(売買)+転用が同時に発生するため5条が適用 |
今回はたまたまこの地域が市街化区域内でしたので、4条・5条ともに届出で対応できました。ただし、農業振興地域の農用地区域(青地)や市街化調整区域の場合は、農振除外や転用許可など別途複雑な手続きが必要になります。
また、購入予定の隣接農地について確認すると、相続によって取得した農地の名義変更(相続登記)がまだ完了していない状態でした。農地の売買や転用手続きは現在の登記名義人を基準に進めるため、まず司法書士に依頼して相続による名義変更を完了させてから、農地法の手続きへ進むこととなりました。
農地を相続しても登記名義をそのままにしているケースは少なくありません。農地の売買や転用を検討する際は、まず登記簿で現在の名義を確認することが重要です。令和6年4月からは相続登記が義務化されましたので、未了の場合はお早めに司法書士へご相談ください。
転用許可の主な要件
① 立地基準
農地の優良性・生産性に応じて農地は区分されており、優良農地ほど転用が制限されます。
| 農地区分 | 概要 | 転用の可否 |
|---|---|---|
| 農用地区域内農地(青地) | 農業振興地域の農用地区域に指定された農地 | 原則不許可(農振除外が必要) |
| 甲種農地 | 市街化調整区域内の集団的優良農地 | 原則不許可 |
| 第1種農地 | 集団的農地・農業基盤整備済み農地 | 原則不許可(例外あり) |
| 第2種農地 | 小集団農地・市街地に近接する農地 | 周辺農地代替不可の場合に許可 |
| 第3種農地 | 市街地区域・市街地化傾向の強い区域の農地 | 原則許可 |
② 一般基準
- 転用後の目的に確実に使用される見込みがあること(転用計画の確実性)
- 転用に必要な資金・技術的能力があること
- 周辺農地への悪影響(水利・日照・排水など)がないこと
- 仮転用(一時的転用)の場合は期間後に農地に復元できること
農業振興地域の農用地区域(いわゆる「青地」)に指定されている農地は、原則として転用許可が下りません。転用を行うには、事前に農用地区域からの除外(農振除外)の手続きが必要です。農振除外は年2回程度の受付で、完了まで数か月から1年以上かかることがあります。
申請・届出の流れ
市街化区域内(届出の場合)
市街化調整区域・非線引き区域(許可申請の場合)
農地法4条の許可を受けずに農地を転用した場合、原状回復命令の対象となるほか、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合は1億円以下の罰金)が科される可能性があります。「もう工事してしまった」というご相談もありますが、発覚した場合のリスクは非常に大きいため、着工前に必ず手続きを行ってください。
主な必要書類
| 書類名 | 市街化区域(届出) | 市街化調整区域(許可) |
|---|---|---|
| 農地転用届出書 / 許可申請書 | ○ | ○ |
| 土地の登記事項証明書 | ○ | ○ |
| 公図(地図) | ○ | ○ |
| 位置図(住宅地図等) | ○ | ○ |
| 転用計画図・配置図 | 場合による | ○ |
| 資金証明(預金通帳等) | — | ○(転用の確実性を示すため) |
| 周辺農地への影響説明書 | — | 場合による |
| 現地写真 | 場合による | 場合による |
※必要書類は農業委員会・案件によって異なります。事前に各市町農業委員会へご確認ください。
手数料・報酬の目安
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 申請・届出手数料(農業委員会) | 無料 | 農地法4条の申請・届出自体に手数料はかかりません |
| 登記事項証明書(土地) | 1通 600円 | 法務局(郵送・オンライン請求可) |
| 行政書士報酬 | 50,000円〜 | 案件の複雑さ・農地区分により異なります |
よくあるご質問
Q. 自分の畑に自宅を建てたい場合、農地法4条と建築確認のどちらが先ですか?
農地法の許可(または届出の受理)が先です。農地転用の許可を得てから建築確認申請を行う流れが基本です。ただし、市街化調整区域の場合は農地転用と開発許可(都市計画法)が絡む場合があり、手続きが複雑になります。早めにご相談ください。
Q. 農地を一時的に資材置場として使いたいだけでも許可必要ですか?
一時的な転用(仮転用)であっても、農地法4条の手続きが必要です。仮転用の場合は使用期間・原状回復の計画を明示した上で申請します。期間終了後は農地に戻す義務があります。
Q. 太陽光発電のために農地を転用することはできますか?
可能な場合があります。ただし農地の区分(第2種・第3種農地かどうか)や営農型太陽光(ソーラーシェアリング)か否かによって取り扱いが異なります。優良農地(第1種・甲種・農用地区域)への設置は原則として認められません。
行政書士に依頼するメリット
- 対象農地の区域区分・農用地区域指定の有無を事前調査
- 農業委員会との事前相談・折衝を代行
- 転用計画図・申請書類の作成から提出まで一括サポート
- 農振除外が必要な場合も含めたトータルサポート
- 各市町農業委員会のローカルルールを踏まえた対応
- 建築確認・開発許可など関連手続きとの連携
農地転用の相談で多いのは「もう工業者と話が進んでいる」「着工日が決まっている」という段階でのご連絡です。市街化調整区域の場合、許可まで2〜3か月かかりますので、転用の検討を始めた段階で早めにご相談いただくことをお勧めします。また、青地(農用地区域)の場合は農振除外から始める必要があり、さらに時間がかかります。三重県・松阪市・明和町・多気町の農地転用手続きについてお気軽にどうぞ。
農地法4条許可・届出のご相談は無料です
三重県(松阪市・伊勢市・多気郡・明和町・度会郡)の農地転用手続きに対応しています。
「自分の畑を駐車場にしたい」「家を建てたい」など、お気軽にご連絡ください。
受付時間:平日 8:30〜18:00 メール・LINEは24時間受付
行政書士長戸法務事務所(三重県多気郡明和町)