農振除外

農振除外
青地
白地
農用地区域
農地転用
三重県
松阪市
農業振興地域

農振除外とは|青地(農用地区域内農地)を転用するための必須手続き

農地を売買したり、家を建てたり、駐車場にしたりする場合、通常は「農地転用許可」が必要です。しかし、その農地が「農用地区域内農地(通称:青地)」に指定されている場合、そのままでは農地転用の許可を申請することすらできません。この青地の指定から外してもらう手続きを「農振除外(のうしんじょがい)」と呼びます。

「青地」と「白地」の違い

農業振興地域内の農地は、大きく「青地」と「白地(しろち)」の2つに分けられます。手続きの難易度が全く異なります。

区分 青地(農用地区域内農地) 白地(農用地区域外農地)
概要 今後も農業を国として推進していくべき「特に守るべき農地」 農業振興地域内にはあるが、青地ほどの厳しい規制がない農地
転用 原則として転用不可
転用するためには「農振除外」が必要。
農振除外は不要。
通常の農地転用許可(4条・5条等)のみ。
手続き期間 農振除外に半年〜1年。その後農地転用(計1年前後)。 農地転用のみ(数か月程度)。
自分の土地が「青地」かどうかを調べるには?
各市町の農業担当課(農林課や農政課など)の窓口で確認できます。また、農林水産省が公開している「農地ナビ」でも確認できますが、最新の情報ではない場合もあるため、最終的な判断は市町の窓口で行うのが確実です。当事務所でも事前調査を代行いたします。

農振除外が認められるための「5つの厳しい要件」

農振除外は「農業に適した良い土地を守る」ための例外手続きであるため、非常に厳しい審査が行われます。以下の5つの要件をすべて満たしている必要があります。

  • 要件1:農用地区域以外に代替すべき土地がないこと
    「どうしてもその場所でなければならない理由」が必要です。他に白地の土地を持っている場合などは、そちらを優先すべきと判断されます。
  • 要件2:農業上の効率的な利用・集団化に支障がないこと
    広い農地のど真ん中をピンポイントで除外すると、周囲の農業機械の移動や作業の邪魔になります。農地の端にあるなど、周囲の営農に大きな影響を与えない場所である必要があります。
  • 要件3:効率的かつ安定的な農業経営の営農者に支障がないこと
    地域の認定農業者など、中心となって農業を行っている人の作業を妨げたり、農地を集約している流れを断ち切ったりしないことが求められます。
  • 要件4:農業用施設の機能に支障をきたさないこと
    ため池、農業用排水路、農道などの機能を妨げないことが条件です。工事によって水路が詰まる、農道が通れなくなるといったことがあってはなりません。
  • 要件5:土地改良事業の完了から8年を経過していること
    国の補助金などを使って「ほ場整備(区画整理や水路の整備)」を行った土地は、事業完了から8年間は原則として除外できません。
⚠「家を建てたいから」だけでは除外されません
農振除外の申請書には「なぜその土地なのか」「なぜ他の土地ではダメなのか」を具体的かつ客観的に証明する「理由書」の添付が必要です。単に個人の希望を書くだけでは不許可になる可能性が高いため、専門的な文章作成が求められます。

手続きの流れと期間

農振除外は申請の受付時期が年1〜2回(または数回)と限られており、自治体や県との協議が必要なため、完了までに半年〜1年程度の長い期間がかかります。

1 各市町農業担当課への事前相談
対象農地が本当に青地か、5要件を満たす見込みがあるか、事前に窓口で相談・確認を行います。

2 申請書類・図面の準備・作成
申請書、事業計画書、理由書、配置図、公図、登記簿謄本、周囲の状況がわかる写真など、大量の書類を準備します。

3 申請書の提出(受付期間内)
各自治体が設定している受付期間(例:松阪市、伊勢市等の指定月)に書類を提出します。これを逃すと次回受付まで数か月待つことになります。

4 市町・県による審査・現地調査
農業委員会や関係各課、県の担当者が現地を確認し、意見を調整します。

5 公告・縦覧(異議申し立て期間)
除外計画が一般に公開され、周辺住民などからの異議申し立てがないかを確認する法定期間が設けられます。

6 三重県知事の承認・除外決定
県の承認が得られると、正式に農用地区域から除外され、通知書が交付されます。これでようやく次の「農地転用許可申請」に進むことができます。

主な必要書類の目安

農振除外申請に必要な書類の一例です(自治体によって細かく異なります)。

書類名 内容・備考
農振地域管理計画変更申請書 所定の申請用紙
土地の登記事項証明書(謄本) 法務局で取得(3か月以内のもの)
公図写し 法務局で取得。対象地と周囲の位置関係を確認するため
位置図・案内図 住宅地図等に対象地を明示したもの
配置図・平面図 転用後に建てる建物や駐車場、排水経路などを細かく書いた図面
除外を必要とする理由書 5要件に合致していることを証明するための最重要書類
代替地検討調書 他に候補地がなかったことを証明するための書類

手数料・報酬の目安

項目 金額 備考
役所への申請手数料 無料 市町への申請自体に公的な手数料はかかりません
各種証明書取得実費 数千円程度 登記簿謄本、公図などの取得費用
行政書士報酬 100,000円〜 案件の難易度、図面作成の有無により異なります

よくあるご質問

Q. 青地かどうか、どこで調べればいいですか?

市町の農業担当課(農林課等)の窓口で確認できます。農林水産省が公開している農地ナビ(eMAFF農地ナビ)でもおおよその確認が可能です。ただし農地ナビは必ずしも最新情報ではないため、最終確認は必ず窓口で行ってください。

Q. 農振除外の申請は誰でもできますか?

申請者は対象農地の所有者または利用者が基本です。申請書類の作成・理由書の記載など専門的な内容が多く含まれるため、行政書士に依頼するケースがほとんどです。

Q. 農振除外が認められなかった場合はどうなりますか?

除外が認められなかった場合、その農地は引き続き農用地区域内に残り、農地転用許可の申請もできません。除外が認められない理由を確認した上で、改めて要件を整えて申請する、または別の土地を検討するといった対応を取ることになります。

Q. 農振除外と農地転用許可は同時に申請できますか?

できません。農振除外が完了して初めて農地転用許可申請が可能になります。両者は順番に手続きを進める必要があります。このため全体の手続き期間が長くなることを念頭に置いたスケジュール管理が重要です。

行政書士に依頼するメリット

  • 対象農地が青地かどうかの事前調査・確認
  • 除外の可能性・見通しについての事前アドバイス
  • 市町・農業委員会との複雑な事前協議の代行
  • 最も難易度の高い「除外の理由書」の的確な作成
  • 図面作成(配置図・排水計画等)から必要書類の収集まで一括サポート
  • 農振除外完了後、引き続き「農地転用許可」までスムーズにワンストップ対応
長戸法務事務所からのひと言
農振除外は、数ある農地手続きの中でも最も時間と手間がかかり、要件の立証が難しい手続きの一つです。「親から譲り受けた土地に家を建てようとしたら青地だった」「スケジュールを組みたいがいつ完了するか分からない」など、お困りの際はぜひお早めにご相談ください。松阪市・明和町・多気町・伊勢市など、地域のローカルルールに合わせた最適なサポートを提供いたします。

農振除外・農地転用のことならお気軽にご相談ください

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